fc2ブログ

記事一覧

「自分は誰?」

「自分は誰で、親はどんな人なのか。ただ、それを知りたい」。順天堂大順天堂医院(東京)で51年前に赤ちゃんの取り違えが起きたとされる問題で、当事者の男性=東京都=が20日までに共同通信の取材に応じた。医院は取り違えた相手方の情報提供を拒否しており、男性は「今となっては取り戻せない人生を歩んできた。せめて実の親に会いたい」と訴えている。

子どもの頃、近所の人や友人から「親に似ていない」と言われては傷つき、どこか似ているところがないかを必死で探したという。家族の中で男性だけ血液型が違い、母の浮気を疑った父は家を出て行き、結局離婚することに。その後、母は再婚したが、家計の苦しさから継父に「高校の費用は出せない」と言われて進学を諦めた。

 取り違えの可能性を知ったのは2015年11月。母に「血がつながってないかもしれない」と言われ、驚きよりも「やっぱり」と強く感じた。疑問を感じていた母が何度も医院に問い合わせたが、門前払いにされた結果「自分の子として育てよう」と決意したことも初めて告げられた。

 すぐにDNA型鑑定を受け、翌月には親子関係の確率は「0%」との結果が出た。「さすがにがくぜんとして、言葉がなくなりました」

 翌16年には医院に出向き、事実関係の確認と実の親の情報を求めた。医院側は取り違えた可能性があることを認めたが、相手先の家族については、現在の平穏な生活を考慮し伝えないことにしたとして、情報を出さなかった。

 「相手の家族の幸せを壊したいわけじゃない。ただ、写真だけでも見たい。亡くなっているならお墓参りだけでもしたいのに...」。双方の主張は平行線をたどり、結局解決金での示談に応じた。

 一部週刊誌の報道をきっかけに医院は6日に事態をホームページで発表、新聞やテレビでも報じられた。男性は「本当の家族が名乗り出てくれるかもしれない」と期待する一方、医院には心からの謝罪と、再発防止体制の整備を求めている。

 「本当の親はどんな人なんだろう」。こんな思いとともに、76歳になった母への感謝の念も強く感じている。「他人と分かっていたのに育ててくれた。母が元気なうちに実の子どもと会わせて、親孝行してあげたい」


2018年4月20日 (金)配信 共同通信社
54879879777777.jpg

なんとも残酷な“事件”ですね。
順天堂大順天堂医院の説明では、約50年前に新生児の取り違えが起きた可能性が極めて高いそうで、
当時は出産後、助産師が沐浴(もくよく)室に連れて行き、新生児の足裏に母親の名前を記す方法を取っており、
この際に取り違えた可能性があるようです。
昔は今ほど管理体制が行き届いてなかったから、こういったケースは全国であったと思う。
この男性も母親もずいぶんとつらい思いをしたようですが、
今になって双方が本当の親、本当の子に会うことが幸せなことなのかは難しいところですね。
少なくとも今まで親子として過ごしたかけがえのない月日を否定し、後悔するような哀しいことにはならないでほしい。

5年前にもブログで取り上げた記事を貼っときます↓これもきっつい話だなあ・・・

「生まれた日に時間を戻してもらいたい。本当の両親に育ててもらいたかった」。60年前に産院のミスで別の赤ちゃんと取り違え10+ 件られたことが裁判などで明らかになった東京都の男性(60)が27日、都内で記者会見し、別人と入れ替わった人生を複雑な思いで振り返った。

 1953年3月30日、東京都墨田区の病院で2人の男の子が産声を上げた。出産時刻の差はわずか13分。分娩(ぶんべん)室で数人の助産師らが産湯に入れたり、身長や体重を測ったりした。足の裏には母親の名前がひらがなで記された。

 手元に戻ってきた赤ちゃんを見て母親の1人は「用意した産着と違う」と気になった。だが、赤ん坊の取り違え10+ 件を疑う人は誰もいなかった。男性の運命はこのとき大きく変わる。

 育った家は決して楽な生活ではなかった。父親は2歳の時に亡くなり、母親が生活保護を受けながら女手一つで3人兄弟を育てた。6畳のアパートでの4人暮らし。同級生の家庭に普及し始めた家電製品は一つもなかった。

 兄2人は中学卒業後すぐに働き、男性も家計を助けるために町工場に就職した。だが「進学したい」との思いは強く、自分で学費を工面しながら定時制の工業高校へ。大学進学はあきらめ、配送トラックの運転手として働いてきた。

 一方、本当の両親は教育熱心で、家庭は経済的にゆとりがあった。4人の子ども全員が私立高校から大学に進み、弟3人は大手企業に就職した。

 取り違えが判明したのは2009年1月。裁判の中で実施されたDNA鑑定で、本当の弟3人と「兄」との血縁関係が否定された。その後、実の弟らが病院に残った資料を調べ、血のつながった兄である男性を捜し出し、今年6月、戸籍も本当の両親の長男に変更された。

取り違えられた男性の弟の1人は、「母親が生前、『いちばん上の兄が自分の子か
どうか違和感を覚える』と何度か話していたことが1つのきっかけになって、探し
始めた。実の兄を見つけ出すまでは本当に大変で何度もくじけそうになったが、家
族として、実の兄に一目会いたいという思いでこれまでやってきた」と述べました。
また、おととし、初めて連絡を取ったときのことについて、「実の兄は最初、詐欺
だと思って信用してくれなかったが、自分の写真を手紙と一緒に送ったら『確かに
似ている』と言って、ようやく会ってもらえた。

取り違えられた男性はNHKの取材に対し、「今まで長い間苦労をしてきて、何で
こんなにつらい人生なんだろうと思っていた。取り違えが分かってからの数か月は
毎日、涙が出た。こんなことがなければどんな人生だったのかを考えると悔しさが
募り、病院に対しては怒りしかない。でも、苦しい生活の中でできる限りのことを
してくれた元の母親やかわいがってくれた兄弟には感謝の気持ちしかなく、複雑な
思いもある」と話していました。


 本当の両親はすでに他界している。26日の東京地裁判決は「何らかの理由で新生児が取り違え10+ 件られた」と産院側に3800万円の賠償を命じ、「真実の両親との交流を永遠に断たれてしまった衝撃と喪失感は償いきれない」と男性の無念さをおもんばかった。男性は記者会見で「この世に生んでくれたのに、何もできなかった」と嘆いた。

 最近は実の弟の家を訪ねて酒を飲むこともあるという。「残りの人生を弟たちと仲良く暮らしたい」。男性は少し表情を緩ませた。

(共同通信)

 [2013年11月27日22時12分]


記事が面白かったときだけ応援クリックお願いします(^^;)
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

c_01.gif

プロフィール

専業トレーダーです

Author:専業トレーダーです
ブログ15年目に突入!会社経営やめてから専業トレーダーとして生きております。




為替・FXランキング

売買シグナル配信ランキング

社会・経済ランキング

最新コメント

月別アーカイブ