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零式戦闘機

零式戦闘機

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昭和14年・・・・三菱重工業株式会社名古屋航空機製作所の門から、シートで厳重におおわれた大きな荷を積んだ二台の牛車が静かに引き出された。

冒頭、名古屋航空機製作所から各務原の飛行場まで戦闘機が牛車で運ばれる光景が活写されていますが、

読み進めていくうちこの叙述イントロの伏線としての意味がわかります。

つまり、勝てるはずのない戦争だったと・・・・。

この記録文学小説は零式戦闘機という兵器をとおして、戦争の全体的姿を描いた数少ない作品です。

特定人物にフォーカスしてないがゆえに客観性をもって描かれています。

欧米の列強に航空機製作技術で大きく立ち遅れていた日本に彗星の如く現れた奇跡の戦闘機「ゼロ戦」・・・

しかし、最後はその性能を生かしきれずに、大工業国であるアメリカの物量に敗れてしまいました。

この小説は物言わぬ兵器をとおして、「太平洋戦争」とは何だったのか、

日本とはどんな国だったのかを凝縮して書いた作品です。

当時としては最新鋭の戦闘機を描いているのに、冒頭や途中、ラストに「牛」や「馬」が意想外とも見える登場でもって

原始性(勝てるはずのない戦争)を暗示し、作品に奥行きを与えているのが印象的です。

馬が、組の者に引かれれて焼け崩れた工場の門を出て行く。田村は、道路に出て、それらを見送った。

馬は、歩くにつれて皮膚の骨の動きをあらわにしながら、荒涼とした焼跡の道を大儀そうな足取りで遠ざかってゆく。


茫漠とした読了感のあと、先人の無念に思いをはせ、

現代人が当たり前のように享受してる「平和」の尊さに身が引き締まります。

私が自信を持ってお勧めする良書。

吉村先生、やっぱすごいよ。


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